デメ子 旅の空の下

ある日のタクシーにて

昨日、私は贅沢にも芝居の稽古に向かう為にタクシーを利用してしまいました。
その車中でのお話。

乗ったタクシーは個人タクシーで、運転手の方は50歳くらい、セーター姿。
車内はほんのりタバコの匂い。
行き先が大きな会館なので、運転手さんから
「今日は何か催し物があるの?」
と聞かれました。

私は舞台の稽古であることを告げると
「そうかぁ。じゃあ今のうちにサインもらっとこうかなぁ。」
と運転手さん。

「いやいや、とんでもないです。」
と恐縮すると、
「いやぁどうなるか分からないですよ!本当に。」
とやけに真剣に話してきます。
そして「私が身をもって体験してますから。」と。

そう言われちゃあ聞かないではおれない。
という訳で話を聞くと・・・

昔おじさんは東京で数年間某グループサウンズのメンバーだったそう。
しかし人気が上昇してテレビ出演などが増えるにつれ、活動を内緒にしていた親にバレ、脱退してしまったとのこと。
好きでエレキを弾いていたが、ちょっとしたきっかけで追っかけが押し寄せるほどの人気グループになってしまった。「人生は分からないよ」と、おじさんは話してくれました。

エレキ好きの青年が人気GSグループの一員になるのと、元人気GSグループの一員が
30年後には広島でタクシーの運転手をしていることと、どちらの方が「人生分からない」か、それは分かりませんが。
「親に反対して続けても良かったんだけどね・・・」
それが、何十年も経ってから言える後悔や諦めや達観をまぜこぜにしたような、そんな印象的な言葉でした。

降りるまで、なんというグループにいたのかは聞けずじまいでした。
今日もおじさんは広島のどこかを走っているのでしょうか。
私も頑張るよ。
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by demekonemuta | 2008-02-18 00:59 | 日記
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