デメ子 旅の空の下

カテゴリ:いろんなネタでエッセー( 5 )

母について

私の実家は新潟の田舎にあり、両親は今2人でそこに住んでいる。
せっかく子どもを4人も生んだのに、田舎の気質に合わなかったのか全員が故郷を遠く離れ、夫婦2人だけの生活はもう20年近くたった。
そんな親不孝な子どもをもった両親を不憫に思うこともある。

今回は母の話に限定したい。
母は東京の下町育ち。
東京大空襲の時は3歳だったそうで、祖父に抱かれて逃げる途中赤い空を見た記憶があるらしい。歌うことと絵を描くことが好き。高校卒業後は一時服飾の専門学校に行っていた時期もあるらしい。
そんな母が新潟に嫁ぎ、様々な苦労をしたことは想像に難くない。
なんせ田舎。電車を一本逃すと数時間待ち。方言もきつい。店も少ない。
何より誰も知っている人がいない。
田舎というのはとても小さい社会で、どこかで誰かが親戚同士でつながっており、仲間同士の結束は強いがよその人間には警戒心がある。
辛い、これは辛い。私自身結婚して誰も知り合いがいない土地に来たが、状況が違いすぎる。

そんな母も子どもが生まれ育てることで生き甲斐のようなものを見いだして行ったようだ。以前、とても苦労はしたが4人の子どもに会えたことが幸せだったと話していた。

しかし、その子どもはどんどん家を巣立っていった。
私としては少しでも親孝行しなければという思いである。少なからずある罪悪感をなるべく軽くしたいとい気持ちもあると思う。

私が母と会える機会になるべくすることの1つに「カラオケ」がある。
実家の近くにはカラオケボックスは無く、実家以外の所で母に会えた時には行くようにしている。
前述の通り、母は歌うことが好きで家事の最中もよく鼻唄を歌ったりしていた。しかし、思い切り歌える場というのがないらしい。
実家には知人からの頂き物という、カセット式の古いカラオケセットがあるが、歌ってご近所に聞こえるのは気が引ける。合唱クラブなんてものもない。カラオケボックスもない。
そこで同じく歌好きの私が、母と会える時にカラオケに行くのである。

行くと大抵歌うのが倍賞智恵子の「下町の太陽」と西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」。あと越路吹雪も歌う。毎回なかなか上手く歌えず練習するのが美空ひばりの「川の流れのように」。
最初はタッチパネル式のリモコンに慣れず、毎回私が入力していたが、何回か失敗しつつもそのうち「年代別選曲」を自分で出せるようになったりしていた。
母は結構歌が上手い。
ただ時々テンポが遅れたりするので、私が一生懸命指揮者のマネをしてタイミングを教えようとするのだが、その姿がまたおかしいらしく、吹き出して歌えなくなっていた。

前回行ったときは、めずらしく「コーヒールンバ」を歌い、あくまで母の領域でだがノリノリになっていた。
あと「椰子の実」(唱歌)を2人で合唱したり。気分は安田幸子・由紀さおり姉妹である。
今回はいつも歌わない曲を歌った!と帰りは満足げだった。

私はそんな母を見て「あー良かった」と思う反面「近くにいたらしょっちゅう連れて行けるのにな」と申し訳なく思う。離れているとよくて1年に1回くらいしか一緒に行けないのだ。
きっと親孝行は「これで十分」と思えるものではないのだろうけれど。

あさってから所用で実家に帰るので倍賞智恵子のCDをお土産で用意してみた。
今回はカラオケには行けないので、次回までにこれで練習してもらおうと思う。
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by demekonemuta | 2008-10-28 01:20 | いろんなネタでエッセー

昨日の続きみたいな話

昨日は紹介の話をしましたが、ちょっと続きでお見合いの話をしたいと思います。

私はお見合いの経験はありません。
彼氏いない歴ウン年を乗り越え、結局なんとか恋愛結婚しました。
しかしお見合いって実際どんなものなのかな、という興味が未だにあります。
(今、お見合いをしても結婚できない、という悩みがある方には、先に謝りたいと思います。すみません。不快な場合はこの後は読まないで下さいね。)

なぜかというと、経験者のお見合い話が大抵面白いからです。
中には「こんなひどい男だった!!」っていう話も多く、決して本人にとっては面白い経験ではないものでしょう。その場にいる本人(きっと私でも)楽しんでそこにいる人はいないでしょうね。

しかし、お見合いには言わば人間の緊張やら打算やら自意識やらしがらみやら人生観やら・・色々な要素がほんの数時間の間にぎゅうぎゅうに詰まっているわけで、すごく人間臭い空間です。見ていたら1秒たりとも無駄な時間がないように思います。その感情のやりとりにすごく興味をそそられるのです。

待ち合わせ場所に行くと「週間ポスト」をズボンの後ろポケットにつっこんで待っていた男性や、無類のパソコン好きでただ黙々と家電ショップめぐりにつきあわせた男性の話も面白かった。
女性の男性評はけっこう辛口で、結婚ですから意識の集中の仕方が違うというか、その観察力のすごさ・視点のおもしろさは普段の生活の中ではなかなか見られないものです。

私も芝居で一度だけ見合いをテーマにしたものをやりました。
見合いして帰って来た女性が、相手について不満たらたらで・・・この話は断りたい!となるが、実は先に相手の男性からお断りの電話が来ちゃうというものでした。
わりと観客の反応がよかったところを見ると、お見合いという状況で起こる様々な感情というものは、いろんな人に共通して共感を得られやすいということなのかもしれません。

実際にはもうお見合いできませんが、また芝居でお見合いネタをやってみたいなと思います。
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by demekonemuta | 2007-08-06 02:45 | いろんなネタでエッセー

エッセイが好きだ

阿川佐和子と檀ふみの共著「ああ言えばこう行く」です。
f0146503_17374495.jpg昨日古本屋で購入しました。

この二人とても仲良しなのですが、お互い適齢期を過ぎてもお嫁にいけておらず、数重なる見合いの失敗や、お互いの私生活をおもしろおかしく書いてあります。

私も今でこそ結婚していますが、とても結婚願望が強かった私にとっては、二十代後半から三十路へのカウントダウンが始まるにつれ
「なぜ私は結婚できないのだ?」
と思い悩んだ時期をとてもよく思い出しました。

一度こんなことがありました。
行きつけの美容室で例によって「彼氏ができない」話しをしていると、紹介しようか?ということになりました。お相手はその美容室に来るお客さんで、ちょっと無口だけど結構おしゃれでスキー好き、という私より4つくらい年上の男性とのことでした。
私はアウトドア好きで、一緒にそういうことが出来る人がいいなぁなどと言っていました。しかしスキー好きだし結構アウトドア派だよと美容師さんの言葉に対し、私の理想は
「バックパックが似合って、しかもそのポケットにはお気に入りの作家の文庫本がさりげなく入っているような知的さもある人」
という、なんだか良く分からないとても贅沢なものだったので「スキー好き」というのは正直ピンとは来ませんでした。

でもとにかく
「こうやって話の段階から不安になったりあーだこーだ言うのが悪いんだ、うん。会ったらまた違うかもしれないし、とにかく贅沢ばっかり言わない!」
と自戒し、紹介してもらう予定にしていたのです。

それから数日。私は風邪で寝込んでしまい、そこへ近くに住む姉が見舞いに来てくれました。
そこで「美容師さん(姉も知ってる人)がこういう男性を紹介してくれるんだって。」という話をしたところ、姉が驚きの発言をしたのです。

「その人私知ってるかも・・・」

えっ?どういう事?と聞くと、だいぶ以前、姉は姉で全く違うルートの飲み会の中でその男性を紹介されたことがあるというのです!!
しかも、その男性は話の通り無口で、話をふっても全く会話にならず、結局他の友人とばっかり話したよ、とのことでした。
姉によると、どうやらその男性はだいぶシャイなのか、周囲の男友達は心配して女性と話をさせようとするけど、本人はなかなかお話ができないとか・・・

「でも『結構おしゃれでスキー好きのアウトドア派』って聞いたけど、それはどうなん?」と聞くと、姉は言いにくそうに「う〜〜〜ん・・・セカンドバッグ持ってたけど・・・」とのこと。

セカンドバッグは当時「おじさん、もしくはバブル時代の物。非活動的な雰囲気はアウトドアの対極にあるもの。」という目で一部の女性からは「大変忌むべき物」ととらえられておりました。
(愛用者の方ごめんなさい)

そして結局、紹介話はお断りしました。
今から思うと、だいぶ失礼な話だなぁとは思います。(もちろん本人には嫌な理由などは伝えていませんが・・・)
でもご本人のことはともかく「姉にも紹介された人を紹介してもらう」っていうのがなんだか・・なんだかなぁ!何姉妹だよ!って思ったのが大きかったと思います。微妙な女心だったわけです。

過去の話が長くなりましたが、この本の最初で「阿川佐和子に紹介された男性が檀ふみにも紹介された」時の話が載っていたので、昔のことを思い出してしまいました。

ちなみに私は結局「バックパックなんて担いだこともない」男性と結婚しました。
返す返すも昔の自分って恥ずかしい・・・。
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by demekonemuta | 2007-08-04 18:40 | いろんなネタでエッセー

私とRYDEEN

先日NHKの「プレミアム10」という番組でYMOが出ていましたので録画しました。
YMOは散開(YMOが言うところの解散)をしていますが、現在HAS(ヒューマン オーディオ スポンジ)として再結成し、キリンラガーのCMにも出ていたので見た方も多かったと思います。

私はYMOの音楽が好きです。
といっても 「アルバム?モチ全部もってる♪」 という感じではないですが、よく聴く方です。

私とYMOの出会いは、テレビで見た「YMO散開コンサート」でした。
ネットで調べると、それは1983年12月。私が8歳の時です。
それまでも流行っていたのだから音楽を耳にしたことはあったと思いますが、その時初めてしっかりと「YMO」を意識したのでした。
テレビを見た後、衝撃を受けた私が結露で曇ったガラス窓に YMO と書きまくっていたのは姉もよく知るところであります(いま思うとやることが田舎のヤンキーそのものなのは何故?)。
しかし、同時に兄から「もう解散するんだぞ。」といわれ、子供心に「が〜〜ん」となったのでした。

さて、YMOの中でも有名な曲「RYDEEN」についての思い出があります。

おそらく散開前、私がまだYMOを意識する前のこと。
私は母に連れられ、公民館で行われている「健康体操」に行っていました。
実家は大変田舎にあり、集落にある比較的大きな建物は「小学校」と「農協」と言えばなんとなく分かっていただけるでしょうか?
そんな田舎の公民館で、おばちゃん、おばあちゃんが集まり、テープをかけてストレッチをしたりするのです。

さて、その健康体操の中で「RYDEEN」に合わせて体を動かす、というのがありました。
すごく単調な動きで8カウントぐらいで終わる短い動きをただただ繰り返す、というものです。
小さい私は母やおばちゃん達にまじって、我ながら一生懸命やりました。
「わぁげどよぐうごがんだな。おらだばもうだめだぁ。(若いとよく動くんだね。私はもうだめ)」
と、どこかのおばちゃんに言われました。
私はその時「RYDEEN」をあまり知りませんでしたが、気に入ってうちに帰ってもその体操を繰り返し、結局その音楽と動きはずっと覚えていて、今でも再現できます。

しかし、子どもだった私は好きだからといって何をできるわけでもなく、高校生になって、ようやくYMOの音楽に再会し、他の曲もよく聴くようになりました。
でも私のYMOファンとしての出発点は今でもあの公民館にあります。

先日録画した映像を見て、洗練された音楽を聴きながらも、やはりあの公民館がふっとよみがえります。
休憩中におばちゃん達と大きなストーブをかこみ、その上でスルメや干物を焼きながらお茶をすすっていた、あのゆるい感じ。そして曇りガラスにたくさん書いた「YMO」の文字が、溜まった露とともに流れていく様子を。

みなさんにも、記憶と重なり合う音楽、ありますか・・・?
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by demekonemuta | 2007-07-21 16:08 | いろんなネタでエッセー

陸奥A子が好きだ

私は陸奥A子ファンである。

陸奥A子は漫画家だ。
彼女の漫画との出会いは、少女時代に買って読んでいた「りぼん」。
しかし、陸奥A子は私が生まれた時にはすでに漫画家としてデビューし、ブームを起こしていた。
私が読んでいた頃には、そのブームは落ち着いていたようである。
そしてその後活躍の場を、少女向けの「りぼん」から女性向け「ヤングユー」に移している。

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彼女の漫画はよく「乙女チック」と言われる独特の世界がある。
そして、その世界は大人の女性向けの漫画になった今も全く違和感がない。

漫画の中では、仲のいい女同士の会話がよく出てくる。

バーゲンで買ったばかりのお気に入りバッグを見せては喜び合い、
最近見つけたおしゃれなお店の情報交換をし、
手作りしているセーターの途中経過を報告しあい、
そしてもちろん恋の話をしたりする。
だいたい傍らには紅茶やハーブティーやブランデー入りココアなど、お気に入りのお茶がある。

そういうシーンは少女でも大人の女性でも変わりはない。
いくつになっても有意義で楽しいひとときだと思う。
変わったのは、結婚、不倫、仕事などなど、悩みの形だけだ。

写真の本は先日購入し、一気に読んだ。
広島に来て数ヶ月。
まだこちらで新しい女友達がいないのが寂しいところ。
お茶の用意だけは出来ているのにね。
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by demekonemuta | 2007-07-04 00:28 | いろんなネタでエッセー